映画ひろしまについて



映画「ひろしま」(1953年)
1955年ベルリン国際映画祭長編映画賞受賞 


「この作品は哀しいけれど世界の至宝である」
小林一平(奇跡への情熱「核廃絶プロジェクト」代表プロデューサー)
自らも広島で被爆した教育学者・長田新が編纂した文集『原爆の子~広島の少年少女のうったえ』(1951年)を日本教職員組合が映画化に決定、全国50万人の当時の教職員が一人50円を出し合って資金を捻出し、八木保太郎脚本・関川秀雄監督の名コンビに制作を依頼した。広島県教職員組合と広島市民の全面的な協力の下、被爆者も含む市内の中高生、父母、教職員、一般市民ら約8万8500人が手弁当のエキストラとして参加、戦時中の服装、防毒マスク、鉄カブト等の小物類も約4000点が寄せられ、映画で描かれる原爆直後の圧倒的な群衆シーンの迫力を形作った。広島出身の月丘夢路もボランティアで出演している。劇場作品ではなかったためその存在は長いこと忘れられていたが、2010年秋よりこの歴史的価値ある名作を国内外に伝えていく「奇跡への情熱プロジェクト」が発足、活動を開始した。2011年3月11日「フクシマ」以降、核の脅威をリアルに伝える貴重な資料としても注目を集め、日本中で上映運動が展開されている。5月にはバルセロナで開かれた国際平和博物館会議でも上映された。

――――「ひろしま」に寄せられたメッセージの一部――――
●吉永小百合(女優)「一人でも多くの人にみていただきたいと願っています。あなたの胸に被爆した人たちの、子供たちの切なる思いが届きます様に!」/●米谷ふみ子(芥川賞作家、反核活動家)「映画『ひろしま』は最近の映画のような幻想ではありません。事実なのです。世界中の指導者、政治家、普通の市民にこの映画をみせる活動をただちにはじめてください。ヒロシマ・ナガサキ・フクシマが何回も起こると世界は亡くなります。時間が迫っています」/●安斎育郎(立命館大学国際平和ミュージアム名誉館長)「映画『ひろしま』を見ずして安直にヒロシマを語ることは出来まい。核兵器を国際政治の道具に弄ぶ人々よ、この映画から目を逸らすべからず」/●坪井直(広島県原爆被害者団体協議会理事長)「息が止まった。この映画はかけがえのないもの。大きな力になる。映画『ひろしま』は言い尽くせないすべてを見せてくれている」/●松井一實(広島市長)「映画『ひろしま』の上映を通して、国内外に核兵器廃絶と世界恒久平和を訴えるメッセージを発信してくださることを、大変心強く思っています」/●田上富久(長崎市長)「映画『ひろしま』を通して一人でも多くの皆様が核兵器の悲惨さ非人道性について理解を深め、今後、核兵器廃絶のために力を尽くしていただくことを期待しています」